第15章 メイド服を着たカノジョ ☆
「うわ!新出くん、プリンスの衣装めちゃくちゃ似合うね!」
シンデレラの王子様、プリンスチャーミングのコスプレをした新出くんを見て、わたしは思わず拍手をする。
周りでは、新出くんに憧れてる女の子たちがカシャカシャと写真を撮ったりしてる。
「萩原さんも、アリス似合うよ」
「ほんと?でもこれ、めちゃくちゃスカート短いんだけど…」
スカートの裾を引っ張りながら少し不服そうに言うと、アユが後ろから抱きつきながら言う。
「ミコトは新出くんと合わせて客寄せ担当なんだから、ちょっとぐらい脚出してもらわないと♪」
ハートの女王の格好をしたアユは、そう言いながらわたしにコスプレ喫茶の看板をずいっと差し出した。
「これ持って、新出くんと客寄せしてきて?」
「はぁーい。
行こ?新出くん」
「あぁ。…あ、それ重そうだから僕が持つよ」
木で出来た看板は予想以上に重く、新出くんはそれを代わりに持ちながら、代わりにわたしにチラシの束を渡した。
「行こうか。売り上げ一位になったら、高級焼肉食べ放題券が貰えるらしいよ」
「ほんと!?頑張ろう!!」
そう意気込んで、わたしたちは客寄せのために中庭まで出てきた。