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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第15章 メイド服を着たカノジョ ☆




そして来週の土曜


俺は東都大のキャンパス内で、ベンチに座り焼きそばを頬張る。

そんな俺の隣には


「松田…こんなところに呼び出して何なんだ。」


と、怪訝そうな顔をしながら俺を睨む降谷零がいる。
零の手には、俺が買って無理矢理押し付けた焼きそばが握られており、俺はあっけらかんと零に笑いかける。


「零が非番で助かったぜ」

「いや、僕はこれでも忙しいんだが」

「まぁそう言うなよ。
焼きそば奢ってやっただろ?」

「…これ、250円」

「こまけぇこと気にすんなよ!」


そう言いながらキョロキョロと学内を見渡す俺を見て、勘のいい零はすぐに俺の魂胆を当てる。


「ミコトさんのサークル、何という名前なんだ?」

「…な!んでミコトのサークルなんだよ」

「?ミコトさんが心配で来たんだよな?」

「別にそんなんじゃねぇよ」


何ですぐバレんだよ…

それに、たった今重要なことに気づいた。
俺はミコトの入ってるサークルの名前を知らない。

コスプレ喫茶をやるということしか情報がない俺は、東都大学の大きさをまざまざと見せつけられる。

クソ真面目な零は、ミコトのサークルを見つける術を隣で考えてはいるが…


「しかし、サークル名が分からないんじゃ探しよう無いな…
他に何か情報はないのか?」


そう聞かれた俺は、少し躊躇った後に小さい声で答えた。


「…コスプレ喫茶」

「え?何て?」

「コスプレ喫茶をやるんだとよ!!!」


改めて口に出すと怒りが倍増した。
声を荒げてそう言う俺をみて、零はあははと笑いながら俺を指差した。


「なるほど?それでミコトさんが心配だったのか!」

「んなんじゃねぇよ」

「愛の力は偉大だな」

「だから!そんなんじゃねぇって!」


そう言い返す俺の言葉なんて聞く耳も持たず、零は持ち前の人当たりの良さで、その辺に歩いてた学生を呼び止め、


「コスプレ喫茶をやってるサークル、どこかわかりますか?」


なんて聞いてる。


しばらく聞き込みをして、無事にミコトのサークルが店を出している場所を突き止めた零は、素直になれない俺の手を引いて、その場所へと向かった。


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