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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第14章 桜の木の下で ☆




松田side


誰かにメシを作ってやりたいと思ったのは思えば初めてだ。

ミコトはさっきから俺の方を心配そうに見つめている。
いつもと立場が真逆だな。

そう思いながら出来上がったチャーハンを見て俺は唖然とした。


「不味そう」


自分で言うのも何だが、ラーメン屋で出てくるチャーハンにはとても見えず、黒い物体がどんよりと皿の上に乗っている。


「陣平くん…なんかすごい匂いするけど…」


心配そうに俺のそばに近寄ってきたミコトは、皿に乗った黒焦げのチャーハンを見て目を丸くした。

俺は即座にそれを処分しようと皿を持ち上げ、一直線にゴミ箱へと向かう。


「捨てる。」

「え!なんで?!」

「何でって…お前にこんな謎の物体食べさせられるわけねぇだろ」


そう言いながら問答無用で捨てようとする俺を、ミコトは全力で止めにかかる。


「待った!陣平くんがわたしに初めて作ってくれたんだよ?!
食べる!!!」


すごい勢いでそう言われ、俺はうっかりその皿をミコトに取り上げられた。


「やめとけって。絶対美味しくねぇから」


そう言う俺に、ミコトは笑いながら言った。


「陣平くんが作ってくれたってことに意味があるの。
味なんて、二の次だよ」


そして、ミコトはスプーンでその黒い物体を掬うと、ぱく…と口の中へと運んだ。


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