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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第14章 桜の木の下で ☆




お弁当が完成したわたしは、手を合わせる陣平くんの横顔をじっと見ていた。

綺麗に手を合わせる彼を見て、お兄ちゃんが
陣平くんにとって、いかに大切な存在だったかを思い知らされる。


ゆっくりと目を開けた陣平くんは、わたしがじっと見つめているのに気付くと、わしゃわしゃと頭を撫でた。


「コラ。なーに見てんだ」

「陣平くんの横顔が、かっこよくて」

「…バカだな」


恥ずかしげもなくそう言うわたしを見て、陣平くんは顔を赤くして目を逸らした。


そのとき


「お!陣平ー!久しぶり」

「千速。相変わらず元気そうじゃねぇか」


お姉ちゃんが陣平くんに気付いて話しかけると、陣平くんも微笑みながらお姉ちゃんを見た。

そう言えば、陣平くんはいつからお姉ちゃんのことを好きじゃなくなって、いつからわたしのことを好きになったんだろう。

どう見てもお姉ちゃんの方が美人で、スタイルも良く、ノリもいい。

わたしが男だったら間違いなくお姉ちゃんを選ぶ。

それが気になって仕方ない。
陣平くんに、聞いたら答えてくれるかな…


そんなことを思いながら、じっと2人が会話しているのを見つめていると、陣平くんが腕時計を見て慌てて言う。


「お!ミコト。そろそろ行くか」

「そうだね。お弁当も出来たし、出かけよう!」


そう言って少し大きめのトートバッグに、お弁当が入った保冷バッグを持つと、わたしは母に言う。


「お母さん。今日わたし、陣平くんの家に泊まるね?」


陣平くんはきっと、
随分と直接的に報告するんだな…
そう思ったと思う。


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