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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第2章 初恋のはなし




「ねぇ、お姉ちゃん」

「んー?」

「お姉ちゃんは、好きな人いる?」


今まで、怖くて聞けなかった姉の恋愛話を、恐る恐る初めて聞いた。


「いない。前はいたけどな。
同じ大学の柔道部の先輩。
私、男臭い系が好きだから」


男臭い系…
陣平くんとは、ちょっと違う?

内心ホッとしていると、お姉ちゃんがわたしの頭を撫でながら言う。


「ミコトの恋の邪魔、したりしないからさ」

「…でも、陣平くんは、お姉ちゃんを…」

「年上の女が物珍しく映ってるだけだ。
きっと、そのうちミコトの魅力に気付くよ。」


姉の言うことはいつも正しかった。
何が起こっても、姉が大丈夫と言えば大丈夫なんだと思えた。

だけど、わたしはこの時、お姉ちゃんでも間違えることはあるんだなと思った。

陣平くんが、お姉ちゃんのこと好きなのは本物だよ。
わたしはずっとそんな陣平くんに恋をしてるんだから、間違いない。


「…なんか、トイレ行きたくなってきた。
行ってくるから、大人しく寝てろよ」


そう言って、お姉ちゃんはテントを1人で出て行った。

しばらく時間が経ったけど、お姉ちゃんは戻ってこない。

道に迷ってるのかな…?


心配になったわたしは、ゆっくりとテントから出てトイレがある浜辺の方へ向かった。


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