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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第13章 ニューイヤー ☆




松田side


ミコトと一緒に年を越した。

去年は良いことと悪いこと、半分が同じぐらいの量押し寄せて来た。
そんな一年だった。

もしも、萩原がまだ生きていたら、俺とミコトはきっとこんな関係にはなってねぇ。

それでも俺は、萩原に生きていて欲しかった。
奴がいなくなった喪失感は、こんな風にたまに物凄いスピードで襲ってくる。


そんな時、俺は決まってミコトの身体を抱き締める。
唐突に。なんの前触れもなく。


今も、道を歩くミコトの手を引いて、俺の腕の中に閉じ込めると、驚いた声を上げるミコト。


「わ…!どうしたの?」

「…さみい」


本当は、たまに怖くなる。
ミコトも萩原みてぇにいつか俺の前から消えるんじゃないかって。

こうしてずっと抱きしめて、俺の腕の閉じ込めていられればいいのにな。

俺がそんなことを思っているとは知らないミコトは、嬉しそうに俺の背中に腕を回した。


「もう少しで家だから、あとちょっとの我慢だよ」


そう言って笑ったミコトの頬にキスをして、俺はまた自宅に向かって歩みを進めた。


ミコトの手を引いて、カンカンとアパートの階段を鳴らして二階に上がり、家に入ると、ミコトが俺にぎゅっと抱きついてくる。


「?なんだよ」

「さむかったね!」


そう言いながら、ミコトは赤くなった鼻を見せて笑った。

その顔が可愛くて、不覚にもギュンと胸が締まった。

玄関の壁にミコトを追いやると、逃げられないように両手を掴んで、ゆっくりとミコトの唇を奪った。


思えば、別に逃げられなくする必要はないのに。

正真正銘の俺の彼女なんだから。

唇を離すと、俺はミコトの髪を撫でながら言う。


「ミコト、さっきも思ったけど唇冷たいな。」

「ん…だって寒かったし…
もっとキスして、あたためて?」


そんな可愛いワガママ、どこで覚えたんだ。

小さい頃言ってたワガママは、本当に妹のわがままだった癖に、いつの間にか俺に、女のワガママを言うようになってやがる。


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