• テキストサイズ

【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第2章 初恋のはなし




「陣平くん、わたしもう大丈夫だから、お兄ちゃん達と遊んできていいよ?」

「バーカ。遠慮してんじゃねえよ。
1人じゃ寂しいだろ?」


くしゃ…と髪を撫でるのは、陣平くんの癖だ。
こんな風に髪を撫でる女の子は、わたしだけがいい。

お姉ちゃんにも、他の女の子にもしないで?

なんて、思ったところでしょうがないのに。



「陣平くんは、優しいね」

「…誰にでも優しいわけじゃねぇよ」


そんな思わせぶりな事言わないでよ。
わたしが小3のときからずっと陣平くんが好きってこと、気づいてないの?

もうかれこれ8年だよ?

中学生時代もずっと陣平くんに片想い

花の女子高生なのに、彼氏も作らずまだ懲りずに片想い


陣平くんの事を嫌いになる要素が無いんだもん。

ずっと、こうして優しくしてくれるから、どうしても諦めきれずに想いはどんどん積もっていく。


「…わたしが陣平くんの妹なら、お姉ちゃんは陣平くんの姉?」


試すような言葉がわたしの口からこぼれ落ちた。

陣平くんは少し笑った後、わたしに言った。


「あんな姉貴、いらねぇな」


ほら…
お姉ちゃんのことは、女として見てるくせに。

心の中で、陣平くんに向かってバカと言いながら、わたしは隣にいる陣平くんの顔をじっと見てた。


わたしのこと、好きになって

わたしのこと、好きって言って

お姉ちゃんじゃなくて、わたしを見て


心の中で何度もそう唱えたけれど、儚くも言葉には出来なかった。



/ 916ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp