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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第2章 初恋のはなし




ぱち…と目を覚ましたのは、ビーチのパラソルの下だった。


「え…」


今自分が置かれている状況が分からず、思わず言葉を溢すと、隣からポカリスウェットの缶が伸びてきてわたしの頬に当たった。


「つめたっ!」

「熱中症だってよ。」


隣にいたのは、陣平くんだった。


「熱中症…」

「お前なあ、もともとほっせーのに、それ以上痩せてどうすんだよ。
千速に聞いたぞ。最近飯全然食べてなかったって」



そう言って、陣平くんは海の方へ目を向けた。

わたしも同じように見ると、お兄ちゃんとお姉ちゃんが海で水鉄砲を持って遊んでる。

まるで兄弟に見えないその2人を見て、ビーチにいる人たちは、口々に


「あそこのカップル、美男美女だな」

「お似合い!!」


なんて言ってる。

紛れもなくあの2人は兄弟なの…


心の中でそんなツッコミをしながら、陣平くんにもらったポカリの缶のプルタブに手をかけた。


その時、陣平くんがその缶をわたしからヒョイと奪い、片手でプシュ…と缶を開けた。


「爪、せっかく可愛くしてんのに、剥げたら嫌だろ」


これ、ジェルネイルだから剥げないよ

そう言おうと思ったけどやめた。
海に行くからとネイリストさんにデザインしてもらったネイルが、わたしも妙に可愛く見えた。

陣平くんが可愛いって言ってくれるものは、途端に世界で一番のお気に入りになる。

惚れたもん負けってまさにこのことだ。


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