第12章 大人の階段 ☆
「メイク落として歯磨きだけしてくるぅ」
そう言って、洗面台に向かうミコト。
やれやれ。とベッドで寝る準備をしておこうと部屋の中を移動した時、不意にミコトが置いてあった紙袋を蹴飛ばした。
ガサッ…
なんだ?とその蹴飛ばした先を見ると、紙袋から中身が飛び出していた。
「なんだこれ…」
その飛び出した物体を拾おうとした時
「だめぇえええ!!!!」
洗面台にいたミコトが歯磨きを終えて戻ってくると、俺が拾おうとした紙袋をバッと取り上げた。
物凄い勢いに慄きながら、俺はミコトを見た。
「?なんだそれ」
「言っておくけど、わたしが買ったんじゃないから!
アユが誕生日にくれたんだよ!?
こんなエッチなの、使い道ないって言ったけどせっかくくれたから受け取ったの。
でも着ないし、陣平くんだってこんな過激なセクシー下着嫌いだろうし…
ペラペラと早口で話し出したミコト。
俺の耳には、
「エッチなの」
「過激なセクシー下着」
この2単語しか入ってこず、即座にミコトの腕を掴んで言う。
「着ろよ」
「…え?」
「着て、俺に見せて」
俺から飛び出したまさかの要求に、ミコトはみるみるうちに顔を真っ赤にしながら言う。
「…え!や、やだ!だって!
めちゃくちゃエッチなやつだよ?!
何ならもう布の意味を成していないし!」
「あぁ。それが見てぇんだ」
悪びれもなくそう言う俺を見て、あ。陣平くん本気だ…と悟ったミコト。