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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第12章 大人の階段 ☆




中に入っていたのは少し大きめの箱。

リボンを解いて開けてみると、ピンクゴールド文字盤の革ベルトの時計が入っていた。

かち…かち…と秒針を刻む音がして、わたしは思わず泣きそうになる。

本当に、陣平くんと時を刻んでる。
夢じゃない。現実だ。

針が進むたびに、そう思えた。


「…医者は、時間管理が大事だと聞いたことがある。
俺があげた時計がお前の腕で時間を刻むのが、なんか良いなと思ったんだよ」


陣平くんはそう言って、初めて出会ったときのわたしが恋に落ちたあの笑顔で言った。


「ありがとう。
…一生大切にするね」


涙が滲んで陣平くんの笑顔が上手く見えない。

この笑顔を、あと何度数えることができるだろう。
この人を救える未来が必ず来ますように。

心底そう思った。



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