第11章 ハタチになる日
とりあえずサプライズにしたくて、ワザと仕事だと嘘をついて、わざわざ偶然を装い駅で待ち伏せ。
タクシーでミコトを連行したまでは計画通りだった。
が、ミコトが突然タクシーの運ちゃんに行き先変更したいと言い出した時は焦った。
シャワー浴びたい!なんて言うミコトを、どうにか無理矢理、ホテルを取っている理由をこじつけて落ち着かせると、ミコトは納得していないような顔をして不審そうに俺を見た。
こいつ…頭いいくせに、気付かないのか?!
誕生日に、彼氏がホテル取ってるって言っているんだぜ?!
気付かれて欲しくないはずの計画なのに、自分の彼女の鈍感さには目を見張るものがある。
不審に思われながらも、ホテルの部屋に着き、ミコトをバスルームに押し込んだ後、用意していたワンピースを脱衣所にかけた。
もうある種、この時点でバレるだろうな。
サプライズし慣れていない俺にはこれが限界だ。
きっと、ワンピースを見た瞬間、陣平くん!わたしの?!ありがとう!!大好き!って飛びついてくるに違いない。
そう思っていたのに