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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第11章 ハタチになる日




松田side


ミコトの誕生日をなぜ覚えていたかと言うと、単純に覚えやすかったからだ。

小学生の頃、ミコトは俺に言った。


「陣平くん!わたしの誕生日、何月何日が当ててみて?」

「あー?さあ?1月1日とか?」

「それじゃお正月だよ!」


そんな、365分の1が当たるわけねぇだろと、子供ながらに呆れた記憶がある。


「もお!正解は12月12日!
いちに、いちに、ひよこさん!って覚えてね!」

「ひよこさん??」

「ひよこさんって、いちに、いちにって掛け声かけながら歩いてそうじゃない?」


バカだ。こいつ。
正直そう思ったものの、このエピソードは忘れられるはずもなく。

ミコトと付き合うことになった11月の萩原との別れの日、その3日後に俺は12月12日の休みをとった。

そして、今日をどうやって祝うか?1ヶ月間ずっと考えていた。

結局頭に浮かんだのは、良いところで良いもん食って、良いとこに泊まって夜景を見ながら酒でも飲む。
なんて、ベタ中のベタなことだった。

どっかのドラマで見るような、誕生日の祝い方だ。

偉そうなこと言っているが、俺は好きな女の誕生日を祝うのは初めてだった。


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