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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第11章 ハタチになる日




そして、いつものわしゃわしゃと撫でる撫で方じゃなくて、大切そうにゆっくりわたしの髪を撫でた。

その手のひらが温かくて、わたしは本音がボロボロ溢れてく。


「今日、会えないって思ってた。
会えなくてもよかったの。
だって、陣平くんの彼女になれただけで幸せだから。
これ以上幸せになったら怖くて…全部無かったことになりそうで怖かった。
っでも、嬉しい…怖いけど嬉しいよ…」


支離滅裂なことをえぐえぐと涙を啜りながら言うわたしに、陣平くんは困ったように笑った。


「…何を言ってるのかさっぱりわからねぇけど。
無かったことになんかならねぇから。
本当は飯食う時にサプライズしようと思ってたのに、計画が台無しだぜ」

「ご、ごめん…」


そう言うと、陣平くんがゆっくりわたしの身体を離した。
そして視線が重なったあと、唇がゆっくりと近づいてきてわたしの上に重なった。

誕生日プレゼントのような、陣平くんのキスだ。


「…ミコト。
誕生日、おめでとう。
ハタチの誕生日を、俺に祝わせてくれてサンキューな。」


陣平くんがわたしの大好きな笑顔で笑う。
この笑顔も、わたしへの誕生日プレゼントみたいだ。


「っ…うぅ〜〜〜」

「だから、泣くなって」

「陣平くん、大好きぃ…っ」

「知ってるって。バァカ」


わたしにとって、二度目のハタチの誕生日

一度目が霞むぐらいの奇跡の誕生日。
この時間が本物であるよう、強く願った。





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