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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第11章 ハタチになる日




そう思いながら身体にバスタオルを巻いてバスルームを出ると、ピンクのシフォン素材のワンピースがかけてあるのが目に飛び込んで来た。


「??」


誰の?これ??
めちゃくちゃ可愛いワンピース。

明らかにわたしのでは無いその服を見て、恐る恐る脱衣所のドアを開くと、身体にタオルを巻いたままひょこっと顔を出した。

そして、窓の外の東都タワーを眺めてる陣平くんに恐る恐る話しかける。


「陣平くーん…
あの…なんか、わたしのじゃない服が脱衣所にかかってるんだけど…」

「あぁ、それお前のだから」

「へ?」


突然言われた陣平くんの言葉、意味がわからずわたしは首を傾げて聞き返す。
わたしのじゃないよ???

そう思っていると、陣平くんはさも当たり前のように続けた。


「それに着替えて、早く飯食いに行くぞ。」

「えぇ…いや、このワンピわたしのじゃないよ??」


陣平くんの本心が全く読めず、ひたすらに首を傾げていると、そんなわたしに痺れを切らした陣平くんが突然頬に怒りマーク付けながらわたしをジロッと睨んだ。


「…あぁあ!もう!!
お前、今日誕生日だろ!?」

「…え?」

「飯食うまで内緒にしようと思ってたのに、お前鈍いうえに、どうして?なんで?って子供か!?
っていうか、頭良いんだから察しろよ!!」


ガーーッと怒り出す陣平くんを、ぽかんとした顔で見ながら、わたしはまさかの展開に頭がついていかない。


「…誕生日、何で知ってるの?」

「昔話してただろ」


昔って、何年も前だよ…?
覚えてたの?


「誕生日だから、会いに来てくれたの?」

「そうだよ。悪いか?」


そう言って陣平くんは不服そうに目を逸らした。


「誕生日だから、この服も買ってくれたの?」

「…だから、そう言ってるだろ?
お前のために俺が買ったんだから、それはお前のなんだよ!わかったか?バカ!」


乱暴にそう言うくせに、その行動には優しさが溢れていて、わたしの目から思わず涙がこぼれた。


「っ…バカだもん…!」

「…って、泣くのかよ。
んっとにしょーがねぇやつだな」


ぶっきらぼうにそう言いながらも、陣平くんはわたしの手を引いて自分の腕の中に閉じ込めた。


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