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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第11章 ハタチになる日




…ちょっと待って。
わたし、今日解剖実習の帰りなんだけど!!

慌てて自分の身体をふんふん確認すると、実習で使ったホルマリンやご検体の匂いが香る。


やばい!わたし、今超絶臭い!

そう思い、わたしは思わず身を乗り出してタクシーの運転手に行き先を変更する。


「すみません!
米花町4丁目に変更で!」


自分の自宅の住所を伝えようとするわたしを、陣平くんが慌てて止める。


「はあ!?何勝手に行き先変更してんだよ!」

「だって!解剖実習のせいで臭いでしょ?!わたし!
シャワー浴びたい!
しかもジーンズだよ?!
米花センタービルにジーンズ履いていけない!」

「ったく…それなら、予定通り米花センタービルで良いって。
変更なし。そのまま行ってください」


行き先が定まらず狼狽えるタクシーの運転手にそう言うと、陣平くんはまったく…と言いながらため息をついた。


「ちょ、ちょっと陣平くんわたしの話聞いてた?!」

「あーもう!
米花センタービルの中にあるホテルの部屋取ってあるから!
そこでシャワー浴びればいいだろ?!」

「??なに?どういうこと?」


未だに陣平くんの意図がわからずに首を傾げるわたしをみて、彼は先ほどよりも大きなため息をついて言った。


「…仕事で急遽泊まる用事が出来たんだよ」


それだけ言うと、まるで「もうこれ以上聞くなよ」と言う風に、ふいっとまた窓の外を眺める陣平くん。

警察(しかも爆発物処理班)の仕事でホテルに泊まるって、意味がわからないんですけど!

結局陣平くんにはぐらかされたまま、わたしと陣平くんを乗せたタクシーは米花センタービルに到着した。


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