第11章 ハタチになる日
大学に到着し、講義室に入るとアユがわたしに気付いて近づいてきた。
「あっ!ミコトー!ハピバ
これ、プレゼント♪」
「え!ほんと?ありがとうー!!
開けてもいい?」
「いいよー!」
そう言いながら手渡された紙袋を開けると、中は可愛い部屋着とブラショーツが入ってる。
「可愛い!わたしいつも陣平くんのスウェット着てるから、今度からこれ着ることにする!
下着も可愛いー!わたしの好きなピンク!」
「あ!だめだめ!
それは自宅で使う部屋着と普段用の下着!
俺のスウェット着せる口実奪うな!って私が怒られる!
"陣平くん"の家で使うのはこっち♡」
にやりと笑ったアユは、もう一つの紙袋をわたしに手渡した。
「なに?これも開けていい?」
「開けていいけど、出さないほうがいいよ。
袋の中で見てみて?」
そんな意味深な発言に、わたしはおそるおそる紙袋の中を覗いた。
そしてそこに入っているものを見て目を見開く。
「んな!なにこれ!」
「それ着たところを見た彼氏の反応、待ってるから♪」
中に入っていたのは、黒のレースがあしらわれたセクシーな下着
ブラはほとんどトップが見えるデザインで、Tバックはアソコが空いていてショーツの機能を成していない。
おまけにその上に着るスケスケのベビードール。
「こっ!こんなの着れるわけないでしょ!」
26歳のわたしでも着たことないわ!!
…まあ、26歳のわたしはそういうことする相手は一切いなかったんだけど…
と、自分の心の中でノリツッコミを入れながら、アユがくれた過激な下着をじっと観察していると、アユはわたしの反応を見て笑いながら言う。
「えー!それ着て誘惑してみてよお!
今日、会うんでしょ?もちろん。
誕生日だし」
さも当然。というようにアユが言う。