第10章 愛してるなんて ☆
土曜日がやってきた。
朝から服を部屋中に並べて、何度も鏡の前で合わせ、取り替える。というのを1時間繰り返してる。
「ミコト、出掛けるのか?」
珍しく実家に帰ってたお姉ちゃんが、廊下からわたしの部屋の中の様子を見かけて中に入ってきた。
「そうなの!でも全然服が決まらない!」
「へぇー?…お。これがいいんじゃないか?」
そう言ってお姉ちゃんはわたしが並べた中から白のニットワンピを鏡を見ながらわたしの身体に当てた。
「うん。可愛いじゃん」
「ほんと?じゃあこれにストール巻いていこうかな」
「なんだかんだ11月も終わりだしな。
でも、少し薄着の方が手繋いだりくっついたりする口実になるぞ♡
…デートだろ?」
「…デート…だと思う」
「だと思うってどういうことだよ」
あははと笑いながら、お姉ちゃんはわたしが散らかした服を片付け始めた。
「…陣平くんと遊ぶの」
「?2人で?」
「うん。
…付き合ってるんだ。」
何となくお姉ちゃんに言いそびれていたから、少しだけ気まずくなりながらも報告すると、お姉ちゃんは一瞬ぽかん。とした後、歓喜の声を上げながらわたしに抱きついてきた。