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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第10章 愛してるなんて ☆




お前の行きたいとこ。という約束が1ミリも通らないことに、わたしはぶーっと顔を膨らせて言う。


「わたしの行きたいとこって言ったじゃん…」

「俺にあんなキラキラキラキラキラキラしたところ行けってのか?!」


まあ確かに、どう考えても陣平くんには似合わない。
陣平くんがカチューシャつけてはしゃいでくれるとは思えない。

だけど、わたしにはどうしても行きたい理由があった。


「…最後に、お兄ちゃんと行けなかったから」


下を向いてそうぽつりと溢すわたし。

お兄ちゃんを出すなんて、少しズルかったかな?
少しだけ罪悪感を覚えるわたしに、陣平くんは優しく言った。


「しゃあねぇな。行くか、トロピカルランド」

「ほんと?」

「お前の行きたいとこって言ってたしな。」


背に腹はかえられん。と言うようにため息をこぼす陣平くんをよそに、わたしはすでに今度の土曜日が楽しみで仕方ない。

何着ていこうかな!
どうやって回ろう?
雨降ったらどうしようかな…

なんて、たかがデートにこんなにウキウキするのはいつぶりだろう。

きっと、足繁く陣平くんのアパートに通っていた過去以来だ。


「ふふっ」

「?何笑ってんだよ」

「なんにも?土曜日楽しみだなー!」


やっぱり、わたしに幸せやドキドキやときめきをくれるのは、陣平くんだけだね。

後にも先にも、陣平くんだけ。



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