第10章 愛してるなんて ☆
それからしばらく、陣平くんの仕事の都合とわたしの大学の授業の関係で2週間ほど会えない日が続いた。
それでも意外とマメにメールや電話をくれる陣平くん。
今日も寝る前に電話をかけてきてくれた。
「もしもし?陣平くん?」
陣平くんと電話出来ることが嬉しすぎるわたしは、声にそのウキウキが乗ってる。
そんなわたしに、陣平くんは呆れながら笑った。
「テンション高ぇな。相変わらず。
俺と電話出来るのがそんなに嬉しいか?」
「嬉しいに決まってるじゃん」
だって、もう二度と会えないと思ってたんだよ?
電話が出来る、声が聞けるだけでそれはもう奇跡以外の何者でもない。
「休み、取れたから。
今度の土曜日」
「ほんと??2週間ぶりに会えるね!」
「どこ行くか決めたか?」
わたしは電話しながら勢いよく挙手をして行きたい場所を宣言した。
「うん!トロピカルランドに行きたい!」
「はぁ!?却下!!」
わたしの提案は虚しくも、2秒後に即却下を下される。