第10章 愛してるなんて ☆
「ミコト。今度は外で会うぞ」
ベッドに潜るわたしは突然そんなことを言われ、慌てて布団から出て陣平くんの顔を見た。
「なに?改まって…」
陣平くんはバツが悪そうに頭を掻きながら、少しだけ顔を赤くして目を逸らしながら言った。
「まだ付き合ったばかりだし、ちょっと昨日は焦り過ぎた。
普通に、外でお前の行きたいとこ行こう」
陣平くんって、そんなこと気にするタイプだったんだ…
お構いなしのゴリゴリ肉食系だと思ってた。
また新しい陣平くんが見れた気がして、わたしはフフッと笑みを漏らす。
「なにがおかしいんだよ」
「べつにー??」
「…行きたいとこ、考えとけよな」
陣平くんの手がわたしのまだ寝癖の髪をくしゃくしゃと撫で、優しく笑う彼の顔をじっと見てた。
これからもこんな日々がずっと続けばいい。
未来に戻りたくない。
祈るようにそう思った。