第2章 初恋のはなし
高校2年の夏
大学2年のお兄ちゃん、陣平くんと
大学4年のお姉ちゃん
4人で夏の海辺でのキャンプにやって来た。
この日のために、ベスト体重から3キロ落とし、友達と何時間もショップで熟考した末にゲットしたお気に入りの水着を着て、砂浜で陣平くん達がくるのを待った。
隣にいるお姉ちゃんは、水着の上にTシャツを着てわたしに言う。
「ミコト、また痩せた?」
「…お姉ちゃんだって、細いじゃん」
「女の子は少しぐらい肉付きが良い方が男にモテるぞ?」
ウインクをしながらそう言う姉は、この春警察官採用試験に見事合格。
来年の春に警察学校への入学を予定していて、最後の学生生活を思い切りエンジョイしている。
白かった姉の肌は、その反動で少しだけこんがり焼けていた。
しばらくすると、お兄ちゃんと陣平くんが近くの海の家で浮き輪を買って戻ってきた。
初めて見る、陣平くんの上半身を直視できなくて、わたしはパッと目を逸らして姉を見た。
姉はそんなわたしの恋心にとっくに気づいている。
ぽんぽんとわたしの頭を撫でると、こっそり耳打ちしてエールをくれる。
「ほら、陣平に見せるために買ったんだろ?その水着。
一緒に海入って来いよ」
そう言われて恐る恐る陣平くんのほうを見た。