第9章 俺のだ ☆
「じゃあ、寝るか。
明日も授業だろ?俺も仕事」
陣平くんはそう言って、本当に雑魚寝をするつもりなのか、カーペットの上にまたゴロンと寝転がった。
わたしたち、付き合ってるんだよね?
なのに、別々で眠るの?
もう勝負下着がどうとか、言ってる場合じゃない。
すっぴんだって、どうだっていい。
わたしはベッドの上から腕を伸ばし、陣平くんのTシャツの裾を掴んだ。
「…陣平くん。」
「んー?」
こちらを見ずに、声だけで返事をする陣平くん。
そんな彼に、勇気を振り絞って震える声で言った。
「…一緒に寝ようよ…」
陣平くんはしばらく黙った後、わたしを試すように言う。
「…誘ってんの?」
「誘ってる」
正直にそう言うと、陣平くんは大きなため息を吐きながら言った。
「バカ…お前…襲うぞ?」
襲うなんて言われても、全く怖くないよ…
陣平くんになら何をされても平気。
わたしは陣平くんのシャツの裾を掴む手を少しも緩めずに、陣平くんを見た。
「襲って…?」
その言葉を聞いた陣平くんは、わたしに覆い被さるように、ベッドの上に膝をついた。
そしてそのまま、わたしの身体は陣平くんに押し倒される。
襲うなんて言葉がぜんぜん似合わないぐらい、優しく、ぽす…と枕に頭を預けた。
「ミコト…俺以外に、そんなこと絶対言うなよ」
「陣平くんだけだよ…」
本当に、一生陣平くんだけ。
あなたがこの世からいなくなっても、わたしはあなたの面影をずっと探してたんだよ?
これ以上の証拠ないじゃん…