第9章 俺のだ ☆
メイクを落とすと、あどけないあの頃のミコトの面影がちゃんとある。
思わず、心臓が高鳴った。
「も…お風呂上がりの顔って、一番ブスなんだから」
「…いいから、ズボン履けよ」
頼むから、履いてくれ…
そんな風に心の中で懇願しながらミコトにズボンを差し出すと、ぶーっと顔を膨らせながらわがままを言う。
「だって、陣平くんのズボンおっきくて、履いてもずり落ちるんだもん」
「だからって…」
その時、ミコトのカバンの中にあるミコトの携帯が唐突に鳴った。
「ん?誰だろ」
ズボンを履こうとしないミコトは、そのままかばんに近づくと、中の携帯を取るために、身体を前屈させた。
ちょうど真後ろで見ていた俺の前で、ミコトの着ているスウェットから尻と太もものラインが見え、パンチラが…
思わずぐるんっと別の方向を向くが、もう脳裏に焼き付いて離れない。
俺のスウェットから伸びる太ももの間に見えた、黒の…
あ、やべ…
勃った…
俺はミコトがカバンの中身をガサガサしている隙に、見つからないように大慌てで風呂場へ向かった。
「っんと、勘弁してくれよ…」
はあぁあ…とため息を吐き、ミコトをこの後襲ってしまわないよう必死で頭の中に鬼塚教官の顔を思い浮かべ、猛った要望をやっとの思いで鎮めた。