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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第9章 俺のだ ☆




お風呂の給湯器の音が鳴り、2人はピタ…と動きを止めた。


「…風呂、沸いたな」

「そ、そうだね」


気まずそうにゆっくりと身体を離しながら、陣平くんが言う。


「先入れよ。
俺は後からでいいから」

「う、うん。じゃあ先に…」


昔みたいに、一緒に入ろうなんてとても言えなくて、わたしは逃げるようにお風呂場に向かった。


お風呂場に入ってまずメイクを落とし、湯船に浸かるとさっきのキスがぱっと脳内に蘇る。


わたし…本当に陣平くんの彼女なんだ…

ずっと夢見ていたこのひとときが、終わってほしく無い。
明日朝起きて、未来に戻っていたらどうしよう…

ぶくぶくとお風呂に顔をつけて悶々と考えていると、だんだんのぼせてきたわたしは、慌てて身体や髪をピカピカに洗うと、恐る恐るお風呂場のドアを開けた。


前にはバスタオルと、陣平くんのスウェットがおいてある。


陣平くんの匂いがするスウェットをくんくん嗅いでいるわたしは、過去から少しも成長してないな…

陣平くんのスウェットに袖を通すと、ブカブカで膝上まで丈がある。

そしてふと鏡を見ると、すっぴんになったわたしが鏡映った。


「…待って、すっぴんじゃん!!」


19歳のすっぴんなんて、何も焦る必要ないはずなのに、中身は26歳のわたしは思わずすっぴんに抵抗を見せる。


だめだ…
すっぴん、コンビニのショーツって、初体験に相応しくなさすぎる!!


髪を乾かして、無造作にお団子にしたわたしは、どうしようどうしようと必死に考えた結果、陣平くんのスウェットズボンで顔を隠そう!と、畳まれたズボンを顔の前に持ってきて、隠しながら陣平くんの待つ部屋まで向かった。


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