第9章 俺のだ ☆
「ミコト?何黙ってんだよ」
陣平くんが、ん?と後ろからわたしの顔を覗き込んでくる。
赤くなった顔を見られたくなくて、わたしは陣平くんの顔がある方とは反対側に自分の顔を背けた。
「だ、だって近いよ…」
小さい声でそう言うと、陣平くんがわたしの耳元で囁く。
「こっち見ろ」
「やだ…」
「ミコト…好きだぜ?」
唐突に、好きだと言われたわたしは、あっさりと陣平くんの方を向いた。
その瞬間、陣平くんの顔が思った以上に近くにあって、ドキッと胸を鳴らしたと同時に、陣平くんがわたしの唇を塞いだ。
もう、息も上手くできない。
ゆっくりと唇を離すと、陣平くんは意地悪に笑う。
「ひっかかった」
わたしは負け惜しみのように陣平くんを睨んだ。
「ズルい…」
「ズルくて結構」
「じんぺ…っ…ん…」
開き直った陣平くんは、またわたしの唇を強引に奪った。
チュ…
ちゅ… と、触れるだけのキスを何度も何度も繰り返し、その度にわたしから甘い吐息が漏れた。
どうしよう…このまま最後まですることになったら…
下着どころか、シャワーすら浴びてない…
そんなわたしの焦りなんてものともせず、陣平くんは唇を離してわたしを見つめ、
「ミコト…」
と、名前を呼んだ後、少しだけ口を開いた状態でまた顔を近づけてくる。
ヤバい…もう止まらないよこれ…
そう思いながら、わたしも陣平くんの舌を受け入れる準備をして首の角度を変えた瞬間
ピピピッ
ピピピッ