第9章 俺のだ ☆
コンビニでメイク落とし、歯磨きセットに、化粧水乳液セット、さらにショーツまで購入した。
コンビニの店員さんに、急遽お泊まりすることになったのが、バレバレのラインナップだ。
せめてものカムフラージュと思い、アイスバーをひとつ買ったけど、多分意味ないな…
レジをしてくれる店員さんの顔が気まずくて見れず、わたしは逃げるように買い物を終わらせるとコンビニの外に出た。
買ったアイスバーを袋から出し、ペロリと舌で舐めたとき、陣平くんがわたしの頬をつねりながら言う。
「あー。お前、アイス買うなら二本買えよ」
「陣平くん、カレーいっぱい食べてたからお腹空いてないと思って」
「俺にもひと口くれ」
そう言いながら、陣平くんはわたしがアイスバーの木の棒を持つ手を握り、そのままわたしの手を陣平くんの口元まで移動させた。
わたしが舐めたアイスを上から陣平くんの舌が這い、思わずドキッと胸が高鳴る。
「お。うめぇな。これ」
「…間接キスじゃん」
「間接どころか、がっつりしただろ。さっき」
「ま、まぁそうだけど…」
そんな、恥ずかしげもなく言わないでよ!
そう思いながら、陣平くんが舐めたアイスを、またわたしがぺろ…と舐めた。
さっきより美味しい気がするわたしは、色ボケしてるのかな。