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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第9章 俺のだ ☆




松田side


ミコトがキッチンに立つ姿を初めて見た。

飯に連れてくなんて言って、無茶振りの如くスーパーに連行して今ここで料理を作らせているけれど、ミコトはテキパキと飯の準備を進めている。

ミコトが料理出来たってこと、初めて知った。

それに、思いつきでミコトを家まで連れて来たけど、大丈夫か俺…

さっき、何とも思っていないフリをして何もしねぇと言ったが、だんだん自信が無くなってきた。

俺は明日は朝から出勤だし、ミコトは朝から大学の授業。


終電前には帰さないとな。

そう思いながら、キッチンに立つミコトをじーっと眺めていると、ミコトは嬉しそうに俺の方に作ったカレーを持ってきた。


「じゃーーん!完成!」


そう言いながら、ローテーブルに並べたカレーはちゃんと美味そうだ。


「美味そう」

「味はめちゃくちゃ自信ある」


そう言ってミコトは笑いながらスプーンを差し出した。


「いただきます」


丁寧に手を合わせてそう言い、スプーンで掬って口に運ぶと、今まで食ったどんなカレーより美味かった。


「うま」

「ほんと?」

「警察学校の食堂のカレーの1000倍美味い」

「なにー?その例え」


俺の奇妙な例えを聞いて、ミコトは眉を下げて笑った。

なぁ萩原…
お前の置いてった宝物は、相変わらず眩しいな。

お前が死ぬ前日に、お前とミコトの話をしていなかったら、俺は多分今もミコトを遠巻きに見ていた気がする。

こうしてミコトに付き合おうと言えたのは、萩原が最後にミコトを頼むと言ったからだ。

お前の代わりに、俺がこいつを守ってやるよ。

俺がこの世からいなくなるまでずっとな。

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