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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第9章 俺のだ ☆




陣平くんのアパートは、過去と同じところだった。

お兄ちゃんの見栄の張った綺麗なマンションとは違い、相応のアパート。
もちろんオートロックはついていない。


「お兄ちゃん、よっぽど見栄張ってたんだね…」

「俺は寝れりゃどこでもいいから尚更だな」


そう言いながら、陣平くんは2階の部屋に向かって階段を上がって行き、わたしはその後ろを追いかけた。

鍵を開け、中に入ると懐かしい陣平くんの部屋の匂いがして、思わず泣きそうになった。


あの頃は、陣平くんの彼女になりたくて、毎日毎日足繁く通い、ご飯を作ったり掃除をしたり家政婦まがいのことをしていた。

でも、今はちゃんと彼女としてこの部屋に足を踏み入れるんだ。


ドキドキしながら足を踏み入れた時、陣平くんがわたしを見て笑った。


「緊張してんのか?」

「す、するでしょ!普通…」

「心配すんな。何もしねぇよ」


陣平くんはそう言いながらわたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。

何もしないんだ…

勝負下着じゃないからダメ!なんて思っておきながら、少しがっかりしてる自分がいる。


「腹減った。早くカレー食いてぇ」


そう言って口を尖らず陣平くんは、まるで小さな子供みたいだ。

今まで見れなかった一面が見えて、ふふっと笑うと、わたしは張り切ってキッチンに立った。


あの頃、何度も何度もここで料理をした、狭いワンルームのキッチンで。


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