第9章 俺のだ ☆
松田side
日勤を終え、俺は車に乗り込んでミコトの通う東都大学へと向かった。
さすが、日本で一番頭が良いと言われている大学だ。
俺の通っていた大学とは違い、通ってる奴ら全員、かしこそーな見た目してやがる。
まるで警察官には見えない俺は、正門前に車を停めるとサングラスをかけたまま外に出て、車にもたれながらミコトを待った。
タバコを咥え、火をつけようとした瞬間、向こうからミコトの笑い声が聞こえた。
ハッと向こうを見ると、ミコトが女友達数人連れ立って、楽しそうに話をしながら歩いて来てる。
不思議だな。
こんなに大勢の人の中から、笑い声を聞いただけで数メートル先のお前を見つけられる。
周りにいる女が霞むぐらい、ミコトだけが眩しくて輝いて見える。