第9章 俺のだ ☆
わたしから出た謎の単語に、アユがはてなマークを浮かべるのを、わたしは慌てて弁解する。
「あっ!えと、前みたいに友達に戻りたくないってこと!」
「そゆこと。
…で、どこまでしたの?」
アユが突然わたしに耳打ちしてくる。
「どこまでって?」
「キスとか、エッチとかしたの?」
「ばっ!バカ!しないよ!
昨日付き合ったばかりだよ?!」
本当は一度したことあるけど、それは未来の話だし!
「なーんだ。
でも、今日会うんでしょ?」
「なんでわかるの…」
「めちゃくちゃおしゃれしてるから」
そう言ってアユはわたしの姿を上から下まで順番に見ていく。
髪はちゃんとコテでワンカール。
メイクはベースから完璧。
服も、ちょっと女の子らしいワンピース
どう見ても、大学の講義のあとにデートに行く女子大生の服装だ。
「今日、ご飯食べるの」
「あんたが食べられるかもねー!」
「ないよ!外食だしきっと!」
アユのチャチャに、わたしは顔を赤くして否定した。
否定したけど…
もし今日、陣平くんにそういうこと誘われたらどうしよう…
付き合ってるわけだし、拒否するのはおかしいよね?
わたしの身体は19の身体だから、まだ処女…
ということは、あのバカみたいに痛いのをもう一度経験しなきゃいけない?!
それに、外見は取り繕ってきたけど、下着は勝負下着じゃない!!
そんな重要なことを思い出したわたしは、心に誓う。
今日は絶対だめ!
ご飯を食べてまっすぐ家に帰る!!
そんなわたしを眺めては隣で楽しそうにアユが笑ってた。