第9章 俺のだ ☆
26歳のわたしは新出くんに告白されるけど、こんなに昔から好いてくれてたの?!
それともわたしがタイムスリップしたことで過去が微妙に変わってる…?
どちらにせよ、彼の気持ちには気づかなかった。
全くと言っていいほど。
わたしは面白いぐらい、陣平くんしか見えてなかったから。
「そんなの聞いちゃったら、新出くんに次に会う時気まずいよ…
それに…」
「?それに?」
「わたし、彼氏出来たの」
「…えぇええぇ!!!?」
今度はアユがガタッと立ち上がり、悲鳴にも似た歓声をあげる。
「いい加減にしなさい!」
教授に怒られたアユはスミマセン…とまた着席した。
そしてひそひそ声でわたしに問い詰めてくる。
「彼氏って、なんで?
どうやって?!
まさか、あんたがずっと言ってた陣平くん?」
「うん…陣平くん」
陣平くんを自分の彼氏だと言えるなんて、嬉しすぎてわたしの顔が勝手に綻ぶ。
今までは、お兄ちゃんの友達 幼馴染
なんて肩書きだったのが、彼氏 恋人 になる。
なんて素敵なの…
「えー良かったねぇ!!
ずっと片想いしてたんでしょ?」
「うん…幸せすぎて、元の時代に帰りたくない」
「?元の、時代?」