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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第8章 叶わぬ願いと叶った想い




今わたしが見ている風景は、7年前と何も変わってない。


壊れたように涙を流し、葬儀場のお寺の縁側に座り、庭をぼーっと眺めてる。


どうして、またこんな絶望を味合わないといけないの…


わたしの小賢しい作戦も虚しく、お兄ちゃんは予定通り11月7日、爆弾解除中に命を落とした。

どうして…?

だって、わたしが過去と少し違う行動をすると、微妙に未来が変わってたじゃない。

なのにどうしてお兄ちゃんは救えなかったの?
結局、人の運命を変えるなんてできないの?

変えることができるのは、運命に関係ない日常のほんの少しの切れ端だけで、本筋を変えるのは不可能ということ?

だったら、どうしてわたしはここにきたの?

わざわざ過去にタイムスリップして、また愛する人を失う痛みを感じるため?


神様は一体、何が目的なの…


「お兄ちゃん…」


7年ぶりに会えたお兄ちゃんとの時間は、あっけないほど短かった。

救えると確信していたぶん、まるで奈落の底に突き落とされた気分。

瞬きすると、パタパタと涙が溢れてわたしの膝に落ちた。


「ミコト」


誰かがわたしの名前を呼びながら、縁側に座るわたしの隣に座った。



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