第8章 叶わぬ願いと叶った想い
けれど実際2年も会ってなかったんだ。
付き合っているわけ無いし、それどころかミコトはもう俺を好きじゃ無い。
どっかの誰かに処女を捧げたみてぇだし。
ふとそのことを思い出し、みるみるうちに不機嫌が顔に出る俺を見て、萩原が笑った。
「俺はずっと、ミコトと陣平ちゃんが付き合えば良いのにと思ってるぜ?」
「なんだよそれ。
嘘つけ、お前大事な妹が俺に食われてもいいのか?」
わざと乱暴にそう言うと、萩はどうせやっぱりお前にはやらないと言ってくるだろう。
そう思っていたのに
「陣平ちゃんになら、いいよ。」
萩原はそう言いながら笑った。
最初は全く本気にしていなかった。
いつもの、同期の軽いノリで、酒も入っているし明日になったら忘れてる。
どうせまた、俺の可愛い妹は陣平ちゃんにはやらねぇよ?なんて言い出すに決まってる。
そう思いながら俺も久しぶりの同期会に機嫌を良くして、酒を大量に入れた。