第7章 時を駆ける想い
目を丸くして俺を見たミコトに、俺は静かに聞く。
「誰と?」
「え?」
「誰と使った?」
俺の大事なミコトを汚したのは誰だ?
2年も放ったらかしにしたくせに、そんなことを思っていると、ミコトは俺を切ない目で見ながら言った。
「…じん
「ただいまー!!!」
ミコトが誰かの名前を言おうとした時、タイミングが良いのか悪いのか、萩が上機嫌で帰ってきた。
結局、誰だか聞けず終いで、俺は思わずため息を吐きながら萩に食ってかかる。
「萩!ゴムを堂々と段ボールに入れてんじゃねぇよ」
「えー?別に恥ずかしくないだろ?」
恥ずかしくないけど、ミコトと、ものスッゲェ微妙な空気になったんだよ!
心の中でそうツッコむが届くはずもなく、結局荷物の片付けは夜までかかった。