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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第7章 時を駆ける想い




さっきから、どうしたって言うんだよ…


「我慢できねぇほど、痛いか?」

「違うの…痛くて…嬉しいの」

「はぁ?!マゾか!!?」


そう言って笑うと、ミコトもまたふふっと涙に濡れた目で笑った。


その涙を無造作に自分の手で拭ったミコトは、鼻声で


「よし!じゃあお兄ちゃん帰ってくるまでに片付けよ!」


そう言いながら、段ボールを開けていった。


しばらくガサガサと、段ボールの中身を出して適切な場所に仕舞う。というのを繰り返していたが、突然ミコトが何かを見つけて手を止めた。


「ん?なんだ?萩のエロ本でも見つけたか?」


半ば冗談でそう言った俺だが、まあ半分当たりみたいなもんだった。

ミコトの手には開封済みのコンドームの箱が握られている。

兄の性事情をまざまざと見せつけられたミコトは、てっきりあわあわと取り乱すのかと思いきや、至って冷静にそれをベッドサイドのチェストに入れた。


「…驚かねぇの?」

「なにが?」

「何がって…」


俺は、ミコトはまだまだ子供だと思っていた。
けれど気付けばもうミコトは19歳の大人の女で、少しも聞きたくないことが俺の口から突いて出てきた。


「…使ったこと、あんのか?」


まさかな。
ミコトがそんな…
萩と俺がそばにいなかった間にそんなはず。

そう思っていると、ミコトはじっと俺の目を見て言った。


「あるよ。使ったこと」


…は?
あるって、それはつまりどっかの誰かとしたってことか?

どこの男かもわからねぇ奴が、汚い手でミコトに触ったってことか?


まるで、大切な宝物を傷つけられたような気分になり、俺の胸の奥がざわつく。


「お兄ちゃん、しょうがないよね。
せめて隠して持ってきてよ。
こんな堂々と段ボールに入れないでさ…」


そう言いながら笑うミコトの腕を、俺は思わず掴んでミコトを見た。



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