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【R18】evermore 【DC/松田陣平】

第2章 初恋のはなし




「あれ?ミコト。ただいま」


その男の子の後ろからひょこっと顔を出したお兄ちゃん。
お兄ちゃんの顔を見ると途端に我に返り、プリンの恨みなんてすっかり忘れて、わたしは逃げるようにリビングへと走った。


「待てよ!妹」


背中越しに呼び止められ、わたしは真っ赤になった顔のまま、恐る恐る後ろを向いた。


「俺、松田陣平。萩のダチ。
妹の名前は?」

「…ミコト」

「ミコトね。ヨロシクな!」



そして彼は、また屈託のない笑顔をわたしに向けた。

松田陣平


その名前は、わたしにとって一生忘れられない名前になった。

その日、夜眠る時に繰り返しベッドで彼の名前を思い出してはきゅーんと胸が高鳴る。
その繰り返しだった。


次は、いつ会えるかな…

お兄ちゃんの友達の、陣平くん。


彼の笑顔を思い浮かべながら、次に家に遊びにくる日を指折り数えてゆっくりと目を閉じた。


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