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【鬼滅の刃】獣柱は皆のお気に入り(R18/BL)

第5章 狼は猪を育てる( 嘴平 )


〜 伊之助 視点 〜

親分が俺に、藤襲山に行けと言った。
其れなら子分は答えていくしかねぇだろ!

「 …別に、さみしかねぇよ。クソッ 」

早々に居なくなった親分は、またひょこっと戻って来るんじゃねぇかなって思ったが、帰ってくる様子もなかった。
空間識覚を使って近くに隠れてんじゃねぇかなって思って調べてみたけど、届く範囲にはいない。

「( 本気でいねぇ…… )」

何処にもいないって事が分かれば、むしゃくしゃして木を切り倒し、声を上げた。

「 あ゙ー!!!やりゃいいんだろ!やりゃ!!見てろよ、親分!!俺は絶対に、その最終選別ってのに合格して、親分に勝つ!! 」

冷たい川に落とされたり、毎日の様にボコスカ殴られて蹴られた日々を考えりゃ、教えて貰った事を思い出してやる事は簡単なんだよ!

「 全集中の呼吸かは知らねぇが、それをやりながら修行すればいいんだろ!やってやろうじゃねぇか!
親分に出来て、俺が出来ないことはねぇからな!! 」

うぉぉお!と雄叫びを上げて気合いを入れりゃ、修行のついでに鬼を倒して藤襲山へと向かった。

「 猪突猛進、猪突猛進!! 」


〜 多神 視点 〜


「 ……彼奴、ちゃんと藤襲山が分かればいいが 」

相当離れてる事は知ってる為に、名前だけ伝えたところで行けるか如何かが微妙だと思う。
まぁ、いざとなれば村人にでも聞くだろうが…
それより感で行ってそうだな。

「 ココヨリ南西ニ迎エ!オニガ出タト報告ガアッタ! 」

「 …分かった。ついでにそいつを捕まえて藤襲山に置こう 」

「 イインジャナイカー!ソウスルノダ! 」

春曙の言葉に、お館様は相変わらず情報が早いと思う。
俺がここを立ち去った事を知って直ぐに、鬼の情報を向けるなんてな。

鴉なのに、白い羽を持つ春曙が飛んで行く先へと向かっていく。

そこには、人間を30人は食った亀鬼がいたが…
俺が倒した手鬼よりは弱いと判断した為に、
コイツを藤襲山に置く事に決めた。

硬い甲羅や身体を持ち、鎧を身に着けたような亀鬼は、俺を見て口を開く。

「 く、そ!!その面を忘れねぇからな!!! 」

「 嗚呼、忘れるな。御前を藤の牢獄に入れた隊士の顔と名は… 」

鱗滝さんがくれた厄除の面

此れは…鬼を倒す時も、
村人に会う時も使えるから有り難い。

人外は…いないからな。




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