第4章 兄妹の絆( 冨岡 )
此処から近いし、父親であり、師匠である鱗滝さんに一度会いたかったが…
俺には俺の役目がある為に、顔を見せるのはまた今度にすることにした。
隠達が行っているのを見ていれば、走って来た義勇と合流する。
「 ……ここに居たのか 」
「 帰るぞ、義勇 」
「 嗚呼 」
少し息を吐いてる此奴は、相当全力で走って来たのだろう。
そこまで距離は開いてなかったと思うが、犬のように着いてくる様に軽く笑みを向け脚を動かせば、斜め後ろを着いていくる。
「 あの二人は如何したんだ? 」
「 鱗滝さんに任せた 」
「 …まぁ、俺を育ててくれたし…あの人なら大丈夫だろうな 」
やっぱり頼るのはあの人になるなって思い納得すれば、義勇は少しだけ視線を落とす。
「 …何故、殺すことを止めたんだ 」
「 ん?まぁ、弟が命賭けて決めたなら見守るもんだろ。安心しろ、腹を切るときは一緒に切ってやるさ 」
「 !? 」
一人の命より、俺の命も掛けた方が他の連中もなにか言うことは出来ないだろう。
それに、恐らくだが鱗滝さんもあの鬼の娘に命を懸ける。
俺を鬼滅隊に入れるときも、お館様にそう言った話をしてたらしいからな。
゙ アイツが人を襲えば、ワシは腹を切ろう。だが…剣士として使えるのならば、アイツを認めて欲しい ゙
本当、優しい人だなってつくづく思う。
「 なぁ、義勇。腹減ったし鮭大根でも食って帰ろうぜ 」
「 !? 」
「 後藤も行こうぜ 」
「 ちょ、待てよ! 」
なにか他の隠に指示をしてた後藤は、それ等を伝え終えてから走って来た。
3人でこうして食べに行くのも久々とは思わないか。
「 おまたせしました、鮭大根と肉うどん2つです 」
「 !! 」
「 …義勇さんって、そんなに好きなのか… 」
「 嗚呼、かなり好きだぜ。可愛いよな! 」
食べに行けば、顔をぱぁと明るくさせて鮭大根を見る様子に後藤は驚くも、コイツの前で一緒に食ったことないか。
まぁ、それも良いと頷いては、俺は肉うどんを食べる。
その後、お館様には鬼舞辻に逃げられた事を報告したが、怒ることもなく頷いてくれた。
あの逃げ脚だけ速いやつを追い掛ける方が骨が折れるからから、許してくれるのは有り難い。