第16章 ベゴニア
大きなベッドに竜ちゃんと2人で潜る。2人入ってもまだ広い!これなら蘭ちゃんと圭介くんが来ても一緒に寝られる!
『ベッド大きいねっ』
「あぁ、大きいな」
私をぎゅっと抱きしめながら頭を撫でてくれる私より2つ年上の竜ちゃんは歳の近いお兄ちゃんができたみたいで嬉しい。優しくてあったかくて、いつも甘やかしてくれる。
「東堂…」
『なーに?』
「東堂がいちばん辛い時…そばにいてやりたかった。俺が笑顔にしてやりたかった。」
『今で十分だよ…?』
竜ちゃんの声が震えてる。
私の首元に顔をうずめていて表情は見えない。
「もう遅いかもしれないけど…東堂がどうしようも無く辛い時、悲しい時は俺がいることを忘れないで。もちろん幸せな時も…一緒にいたい。」
『遅くなんかないよ。嬉しいよ竜ちゃん。』
「東堂にとって東卍がどんだけデカい存在かってのも分かってる。」
『うん』
「でも…それでも俺だって東堂といたい。たまにはこっち泊まりに来て。部屋余ってるんだ。好きに使ってくれていいし、迎えにだって行くから。」
『私だって一緒にいたいよ。
また会えて嬉しかったしもう離れたくない。』
「うん、もう離さない。
…好き、すげぇ好きだよ東堂。」
私を抱きしめる腕に力が入って隙間なくくっつく体。背中に回した手で竜ちゃんの背中をさすると、顔を上げて柔らかく微笑んでくれた。
『…あの、竜ちゃん…?』
「ん?」
『なんか、なんか当たってる…っ』
「あ…っとこれは…えっと、その。」
なんだか前にもこんなことがあった気がする。
たかちゃんと圭介くんと一緒に寝た日。
あの日も何かがあたって…それをどかそうと触れた。そしたら2人ともビクってなって、それで首筋を舐められたり…したんだっけ。
それなら竜ちゃんのこれもきっと触ったらいけないやつだ。よく分からないけどきっとそう…だよね。そっとしておこう。