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東京卍會のお姫様

第15章 ムスカリ


「東堂、なんかあったらすぐ連絡しろ」

『なんにもないよ…?』

「なんかあったら…すぐ。」

『うん、分かった必ず連絡するね』

俺の腕の中でもぞもぞと動いてパッと顔を上げた東堂がなぜかすごい笑顔で俺を見つめている。なに…クソ可愛いけど…なに?

「…?」

『ねえ圭介くんっ』

「ん?」

『圭介くんて、いつも可愛いって言ってくれる!』

「んあ?まあ…そうかもな?」

そんなん考えたこと無かったけど言われてみれば確かに言ってるのかもしれない。こいつのことを好きだと気づく前は妹のように思ってると勘違いしてたから、毎日のように言ってた。

『あのね、すーっごい嬉しいんだあ』

「いやでもお前言われ慣れてんだろ?」

腐るほど言われてんだろ可愛いなんて。
何を今更うれしいことがあるんだ?

『そんなことないけど…でもなんかね
圭介くんに言われると嬉しいんだあ』

「…俺に言われると嬉しい?」

『うん、圭介くんに言われるの嬉しいの』

「何回でも言ってやるよ。
東堂は可愛いからな。」

『ふふ、圭介くん大好きよ。』

「俺はその大好きが毎日聞きてえかな。」

『たーくさん言うよ』

「ふは、そりゃ楽しみだわ。
俺も東堂が大好きだ」

例え好きの意味が違っても…
お前から貰う好きは全部特別だ。

『あとね…圭介くんの匂いも好き。
そばにいると落ち着く…。』

「ならずっと傍にいてやらねえとな。」

『うん…居なくならないでね。』

「俺は居なくならねえよ。
ほら…寒みぃから家入れ…な?」

『ん、送ってくれてありがとうね
また明日ね!』

「おう、明日の朝は俺が迎えにくっから
準備して待っとけよ」

『わかった、いつもありがとう!』

「ん、じゃあな」

『ばいばーい!』

エンジンをかけて東堂の家をあとにする。
好きで好きで仕方ない。
早く言わねえと三ツ谷あたりにもってかれそーだな。でも今じゃねえんだよな。いつ言うかな…。あー…帰ってペヤング食いながら考えるか。
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