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東京卍會のお姫様

第12章 センビタリア


side夢主

んー…今何時だ…?

4:30か…起きるには少し早いけど。

隣を見れば私を抱きしめたまま眠る圭介くん。

『…おはよう圭介くん。』

少し伸びてきた黒い髪を撫でてみる。
猫みたいに擦り寄ってくる圭介くんが可愛い。

このまま起きる様子もないし久しぶりに
1人でお散歩でもしようかな…。

起こさぬようそっと圭介くんの腕から抜け出して軽く身支度をする。携帯とお財布だけを持って一言瀬川に声をかける。

『瀬川、少しお散歩してくるね
圭介くんまだ寝てるからなんかあったら
伝えておいてほしい』

「おひとりで…ですか?」

『うん、久しぶりにね』

「…かしこまりました。
場地くんがお目覚めになりましたら
お伝えしておきますね。」

『ありがとう瀬川
いってきます!』

「はい、お気をつけてお嬢様。」

見送ってくれた瀬川を背に私は外へ出た。

暫く歩いてマイキーのお兄ちゃんである真一郎くんのバイク屋さんの前で足を止めた。見覚えのある人影を見つけたから。白くてふわふわした髪。薄暗い朝の光の中でも見つけられる。

『…ワカくん?』

呼べば振り返るその人。

「…東堂?なにしてんの?
なんで1人なの?瀬川さんは?東卍のヤツらは?」

『わわわ質問攻め!お兄ちゃんみたいっハハ』

「いやだって…あ、蓮くん元気?」

『うん、元気だよ』

いつも心配してくれる優しい人。わかってる。私がひとりで外を出歩くのなんて珍しいって言いたいんだよね。瀬川や護衛の人もしくは東卍の誰かと一緒に居ることがほとんどだから。

「東堂も少し会わないうちにすげえ綺麗になったな。まだ13だろ?この先どんどん綺麗になるんだろうな…楽しみだわお姫サン。」

『もー冗談やめてよ…っ//』

ほんと…冗談ならやめてよ…。

勘違いしちゃうから。

ワカくん…今牛若狭くんは私の初恋の人。

叶わないって分かってるから誰にも言ってないし本人に伝えもしない。両親を無くした私に圭介くん達とは違った優しさでそばに居てくれた人。真一郎くんの友達で…このバイク屋さんに遊びに来るとワカくんはいつもいた。綺麗な顔してるのに《白豹》なんて言って恐れられていたらしい。優しい真一郎くんも何年か前まで黒龍の総長だったらしい。2人とも疑ってしまうほど優しいから聞いた時は驚いたなあ。
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