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ラヴレター─君が遺した日記─

第1章 涙雲


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僕はそれから、どうしてもその場限りになってしまうのが嫌で

彼女の名前と、病室の番号を聞き出した


「病院でナンパとか超ウケる」


何て言いながらも、彼女は嬉しそうに自分の名前と病室の番号を教えてくれた


脚の骨折の為、暫くの間通院していた僕は、病院へ行く度に彼女の病室を訪ねた

そして僕は

彼女が僕より一つ年下の19才であること

そして、未だ治療法の確立していない不治の病に侵されて長い間入退院を繰り返していること

…そして、今度が最後の入院になるであろうことを聞いた





「…退院出来ないかもって…どう言う意味?」

「どうって、そのままの意味だよ。あたし多分、もうすぐ死んじゃうから」



あっけらかんとそう言って笑う彼女

僕はどうしても納得が行かなくて彼女に詰め寄った



「何でそんな事言うんだよ!治す為に入院してるんだろ?治るよ!」

「この世には、治らない病気ってもんもあるのだよ、章くん」



おどけて僕の肩を叩く彼女

僕は居たたまれなくなって立ち上がった



「俺は信じないよ!絶対治るよ!!」

「ん〜………じゃあ、章くんはそう信じてて?」



そう言って笑う彼女は

僕よりずっと、大人びて見えた



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