第4章 終焉の時
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──5月23日──
毎日
毎日
動くのが億劫になって行く
瞬き一つでさえ
辛くて
目を開けるのが
嫌になる
章くんが居ない午前中は
私は正に、死人のように
ベッドの上に横たわって
ピクリとも、動かない
もう
限界かな
章くん
私
もう
ダメみたいだよ
「……」
短い文章だった
だけど
その中に、彼女の苦痛が詰まっていた
この日記には、終わりがある
彼女の綴る日記の日付が
更新されることは
二度と無い
そして
確実に、それ以降の日付が記されて居ないであろう日にちを
僕は、知っていた
その日を境に
彼女の綴った日記は
劇的に短くなって行った
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