聖夜はアナタの好きにして【鬼滅の刃/上弦の鬼短編】
第5章 New year -Top3の男たちの余暇-
「しかし、 猗窩座殿~、聞いて驚いたよ。美咲ちゃん助けて、あの指名手配犯ボッコボコにしたんだって?」
「2~3発ぶっ飛ばしただけだ。 (.....ボコボコにはしていない。)」
「カッコいいぜ~!!俺の後輩君は。友人としてこれ以上鼻が高いことはない!」
「うるさいし、腕を離せ。そういうお前は、どうなんだ。門倉と上手くいったのか。」
お冷の氷をカラコロ鳴らしながらめんどくさそうに聞いている猗窩座だが、内心は照れているという自分の反応を押し殺しているに過ぎない。
それを見逃さない童磨は、珍しく自分の話題を振ってくれたことに目を輝かせて喜んでいた。
「おぉ!!初めて猗窩座殿が俺に話を~!!黒死牟殿、猗窩座殿が俺に話を振ってくれたよ?」
「「 (やかましい)」」
普段は物静かな黒死牟と猗窩座がいつもよりも饒舌で機嫌のいい童磨に呆れたがそんなことはお構い無しの本人である。
3人の前にマスターが戻り、カクテルを作る。シェイカーを振る音が鳴り始めた。
「マキちゃん、やっと俺の愛の誠に気づいてくれたのだよ.....。ずっと俺がしてきたこと、他の子にもしてるって思ってたみたい。
他の子までにそれをやってしまったら、さすがの俺でも気疲れするし、破産するぜ?」
「お前がいつもに増してよく喋るのはそれが所以か...。」
黒死牟は童磨の右手の薬指にはめられたキラリとしたものを指さして言う。
「道理でな。」
当事者である童磨の表情は、二人が今まで見たことの無いほどに感情の伴った暖かい笑顔だった。
「そう言えば黒死牟。お前も指輪が新しくなったな。」
「むっ?」
「そうかそうか!黒死牟殿、進展があったのだね?綾乃ちゃんと!」
「あぁ。結婚する。」
今度は、見たこともないほどに幸せそうに笑みを浮かべる黒死牟にほかのふたりが目を丸くして見合ったのだった。
「「結婚?!!!」」