聖夜はアナタの好きにして【鬼滅の刃/上弦の鬼短編】
第4章 Confession of love /猗窩座
「猗窩座くん.....ダメ....」
背に庇った美咲さんはそう言った。きっと、前にも同じことをされて、前のやつは死んで、それを自分のせいだと思っていたんだろ?
「美咲さん。俺は死にませんから。」
目の前の男はぬらりと立ち上がって刃物を振り上げてくる。
瞬時に構えを取り、振りかぶってきた刃を根元を狙って横から叩き割った。
刃の部分が折れて地面をたたく音がした。
反動で手首をひねった男は、執念深くポケットから何かを出そうとする。
嫌な感じがした刹那
『催涙スプレーだ』
と脳内で誰かが喋ってきた。
男の手を蹴り上げて、何も持たなくなくなった男を両手で抑え込んだ。
そのすぐ後に2~3人がこちらに走ってくる音がした。
店主と警官ふたりの姿だった。
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男は銀髪に顔に傷がある警官とその相棒につられて連行されていった。
犯人は捕まると、現行犯だったからか、その場で杏寿郎という男を殺したことを認めた。
男は陶芸家で名を玉壺というらしい。
美咲さんの無くなったお父さんが彼を品評会で不正を働いたことを暴き非難した事への逆恨みだと警官から聞かされた。