聖夜はアナタの好きにして【鬼滅の刃/上弦の鬼短編】
第4章 Confession of love /猗窩座
イブと明日のクリスマスに天兄と杏兄の家族と目撃情報のビラ配りに公園と駅で手分けして配る予定で集まった。
もともと人望が凄かった杏兄のために沢山の人が集まってくれた。
勿論私の家族も、天兄の家族も。
「8年前の大学生殺害事件の目撃情報よろしくお願いします。」
「どんなことでもいいので、何か情報がありましたら連絡をください!」
声を張り上げて、通行人に一枚一枚ビラを配って回る。
寒さも、大半の反応なく流れていく通行人の無関心さとも戦いながら。
お昼ごろになると警察官になった当時の同級生も交じって、一緒に行動した。
すると、
「おーい、美咲!助っ人連れてきたぞ!」
「へ?......えぇ?!?!」
天兄から、声をかけられて、振り返った先にはまさかの座ちゃん。
「美咲さん。こんにちは。」
「俺のダチとして連れてきたんだ。コイツ派手だし良いやつだろ?」
もう、頭が真っ白だ。
座ちゃんが少し気まずそうにしているところを見ると、天兄が強引にだったのかもしれないけど、ひとつプライベートを晒されたようで気恥ずかしさを感じる。
天兄に対して余計なお世話働かないでくれと内心思うも彼の前だから、後で言ってやろうって思った。
絶対わたしの気持ち勘ぐってしてるんだろうから。
「わたしの推しのホスト君だもん。いい男に決まってるじゃん!」
いつも店にいるような感じで笑顔でそう言ってやると、座ちゃんはちょっと驚いたように目を見開いていた。
でも、天兄が彼を呼んだことと、
杏兄が夢に現れて深刻な顔をしてたことが
なぜか、繋がっているような気がして胸騒ぎを覚えた。