聖夜はアナタの好きにして【鬼滅の刃/上弦の鬼短編】
第1章 PASSION
[PM6:00]
club上弦の月の前に高級車3台が止まり、従業員一同が列を組む間を颯爽と歩く3人。
「お疲れ様です!!」
「「お疲れ様です!!!」」
出迎えの声に軽く手を挙げて応える。
上弦ノ月3Kingと呼ばれる黒死牟、童磨、猗窩座は次々と店に到着しパーティーに備えてそれぞれが準備に取り掛かった。
今日は12月20日。
毎年恒例のXmaspartyが開かれる。
いそいそと開店準備を進めては一斉に各々の支度を始めだす。
色とりどりの高級スーツにポインセチアのブローチ等、個々の個性を出すXmasファッションに身を包んだホストたちが現れた。
そしてこの店のtop3が鬼舞辻会長と並び、始業の号令が行われた。
「さぁ。ホスト界の鬼共。今日はイベントで慌ただしくなるが、やることは至ってシンプルだ。
女性を喜ばせ、最高のクリスマスを過ごしていただく。
たったそれだけの事。
ここに並ぶ者にそれが出来ない男はいないであろう。
最高のおもてなしをしろ。解ったか…。」
「「「御意!!!」」」
ホスト達の威勢のいい返事と共に皆が頭を垂れる。
「開店準備!!!!」
「「はい!!!!」」
「淑女達を、1番の笑顔迎えよ!!」
「「はい!!!!」」
「準備はいいか!?」
「「Hey!club、上弦ノ月!」」
「整列!!」
号令とともに軍隊の如くレッドカーペットに沿うようにホスト達が並ぶ。
「開店!!」
重厚な扉がボーイ達によって開かれる。
「「いらっしゃいませ!!淑女達!!!!」」
イベント恒例の開店はこの店の名物だ。
そして、次々と女性たちがボーイ達に案内されて席を当てられていく。
ホストたちは各々の出し物のために裏方へ回り始めた。
煌びやかさがいつにも増して、客のテンションもいつもより高い。
会場が一時暗転し、この日のために特設されたステージが幕開くのを今か今かと待つ。
上弦ノ月Xmas partyの幕開けだ。