聖夜はアナタの好きにして【鬼滅の刃/上弦の鬼短編】
第4章 Confession of love /猗窩座
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天兄のところに行くと、奥さんの雛鶴ちゃんもいて付き合いの長いメンツがいるから、気をつけてたにもかかわらず飲みすぎちゃった。
頭の回転が上手くいかなくて、誤魔化してたことが色々筒抜けになったのかもしれない。
それでも、いっぱい話しかけて嬉しくなるようなことをいっぱい言ってくれるから、あの空間は賑やかに楽しく過ごせた。
そして2人と別れて、また色んなこと思い出しちゃった帰り道。
酒に酔ってふらつきそうな足が気になり、頭がぼーっとする。
冷たい風がまた、あの声を呼んでは心をつんざくから、ふと温かさが恋しくなる。
「ほら、俺に捕まってください。少しよろけそうなので.....」
座ちゃんがそう言って腕を差し出してくれた。
きっと、内容はわからなくても、心の色、君には見えてるんだよね…。
酔ってることと寒いことを言い訳に使って差し出された腕に自分の腕をからませた。
暖かい。こんなに逞しい腕だったんだ。
そう思うとなんだか安心して、絡ませた腕に抱きついた。
何も言わないでくれる座ちゃん。
こんなにも大きくて男だった
思いやりと気遣いの達人だ。
そのまま大通りへの一本道を寄り添って歩いた。
こんなに優しくて全てが完璧な人にこのまま一緒にいてしまったら、きっと逃れられないんだろうな。
別れ際、上手く笑えなかった。自信無くしてないかな?
やっぱり、ひとりの時だけしか行かないほうが良かった。
自分の本音と本性を晒すくらいなら
もっと好きになってしまうくらいなら
長く一緒にいるものじゃないなって改めて思った。
でも、また行ってあげたい。座ちゃんの夢も家族を思う気持ちも応援してあげたいから...。