聖夜はアナタの好きにして【鬼滅の刃/上弦の鬼短編】
第1章 PASSION
[AM2:30]
店内は最後の客が出て、ホストたちとアフター入れている客たちが店の外で待つ。
ホストたちは着替えを済ませ、店内でTOP3の男たちが話をしていた。
黒いコートに濃い紫のマフラーを巻きながら、黒死牟がスマホの履歴を見ていると、
「おや、黒死牟殿。それはプライベート用のスマホじゃないか。相も変わらず綾乃殿と仲睦まじくしていて羨ましい限りだねぇ。」
スマホ画面をのぞき込んできた童磨を肩肘で押しのけて煩わしく答える。
「そういう童磨も本命とアフター入れているだろう。構うな。」
「相変わらずつれないじゃないか。
あ、そう言えば猗窩座殿は美咲ちゃんと初のアフターだって聞いたぜ?美咲ちゃん、アフターしない主義じゃなかったかい?良かったじゃないか!!」
「童磨。人のプライベートになれなれしく首突っ込むな。でかい声で言うんじゃない。」
猗窩座が抱き着いてきた童磨を押しのけると、ニヤニヤしながらまた抱き着いていく。
「猗窩座殿もつれないねぇ~、俺たち大の仲良しじゃないか。」
「お前がしつこく構ってくるだけだ。」
何度も押しのけても抱き着いてくるのがめんどくさくなってきた猗窩座は、鬱陶しそうに顔をしかめながらされるがままになってきた。
その様子をただ見守りながら、優しい面持ちで猗窩座に声をかけた。
「良かったな.....。美咲のことは綾乃もよく話す。上手くいくよう励め…。」
「言われるまでもない。お前には感謝している。」
話しをしている様子や内容が童磨には羨ましく思えて、今度は二人に抱き着いた。
「今度、3人で飲みに行こうじゃないか!久方ぶりだろう?」
「俺たちが行くところは勝手についてくるだろう。」
「じゃぁ、いいってことなんだね?楽しみにしておくよ!」