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ジェラシーのその後で

第1章 カゾク×ト×ワタシ


結局、会計の時もその女だったが、ネルルには一切見向きもせず、やたら甘い声で作業していた。

「ねぇお兄ちゃん、あの女の人ずっとお兄ちゃんのこと見てた。お兄ちゃんのこと自分のものにしたいー!って強い意志を感じました。朝からやめてほしい!」
ネルルが待機するホテルへ向かいながら話すことは、先程の女の悪口だ。

「え?やっぱりそうか。香水がきつかったから、あれ以上近寄られたらヤるところだった。」

「気づいてたんだ!ヤってくれてよかったのに〜。」

「殺しても面倒だし、金にならないしね。」

「まぁ、、お兄ちゃんめんどくさいこと基本嫌いだもんね。」

「興味のない女から向けられる好意はもっと嫌いだけど。」

「え?お兄ちゃん、さっきの女の人じゃない奴からもあんな雰囲気出されたことあるの…?」

「うん。」

「そ、そうなんだ…」
それはいつ、どこで、どんな女に…
胸がざわついた。自分の知らないところで、人に興味を持つことが少ない兄だとはいえ、女と一緒になることがあったとは。
嫌だ…。

「ま、興味ないし、金になるなら殺すから別にいいんだけど。」

その言葉になんだか少しホッとする自分ももっと嫌だ……。


「ついた。」
兄の言葉で、目の前に聳え立つ建物を見上げた。

「ここの55階のラウンジで、ヒソカの用事が終わるまで待ってて。俺の名前で予約してあるから。
一応さっき部屋もとった。もし今日中に終わらなかったらそこに泊まる。1つ上の階の5644号室。」

「わかった。ありがとうお兄ちゃん。」

「あんまりうろうろしないでね。飽きてもホテルの中で遊んでて。ラウンジ、好きなの頼んでていいから」
自身の財布から黒いカードを取り出すとネルルに預ける。

「あ、ありがと…お金なら私もあるのに」

「小遣い程度だろ。ここ、高級ホテルらしいから。」

そういうこと…と納得する。

「じゃ、終わったら連絡するから。迷子にはならないでね。」

ヒソカとの集合場所へ向かうため、私たちはここでしばしお別れだ。
まぁ、お別れというほど長い時間ではないけれど。
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